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2007年09月14日

神保町「鶴八」

8月29日、神保町「鶴八」へ行った。
昭和34年から続くお鮨屋さんである。
サラリーマン時代、得意先に連れて行ってもらったのが25年前。
DSC01422-s.jpg
その頃は初代主人師岡幸夫さんが握っていた。
田島道弘君が弟子として務めていた頃である。
新橋鶴八の石丸久尊さんは、もう独立していた。
例の赤い本に☆☆☆がついて紹介された為、
商売繁盛でてんてこ舞いしていた。
おまけに師岡親方が本を出版して
(「神田鶴八鮨ばなし」)
これが売れて、それが原作となって
NHKの連続ドラマ(「生きのいい奴」)にも取り上げられたのが
拍車をかけて大にぎわいであった。
その頃の感想は、お鮨がこんなに美味しいものだったのかと
驚いたことです。
師岡親方は平成9年に引退して今は田島さんが後を継いでいる。
(その辺の経緯は「神田鶴八ちょっと小粋な鮨ばなし」を読んで下さい。
また、新稿の石丸さんと田島さんのことは「鮨を極める」早瀬圭一著に詳しく出ている。)

2代目の田島親方の方針は、先代のお教えを守って
伝統にのっとった正統的鮨をにぎる。
商売のやり方も同じというところで、
その辺は新稿から独立した「しみづ」とは全く違うところだ。
しみづは習った伝統の上に自分の創意工夫を加え、
より美味しい鮨を目指す姿勢。
どちらもしっかりした教えでやっているので
どちらがいいとは言い難い。
師岡親方も柳橋美家古で修行し、加藤親方に鍛えられたが
(その頃の話が「生きのいい奴」のテーマ)
つねづね我々には親方から教わったやり方以外の鮨は出せませんと言っていた。
例えば、のり巻きを手巻きにしてくれと言うと
習ってないのでできませんとにべもなく断るのである。
のり巻きは必ずすだれで巻くのである。
うにはあるがいくらは出さない。
ねぎとろなんてのもありません。
鮨屋に行くとこちらも分からないので
「みつくろって」などと言って任せることが多いのだが、
ここはダメ。
「品書きを見てお好きなものを選んで下さい」と来る。
DSC01424-s.jpg

どの種も品質のよいもので、
その種が一番美味しく食べられるよう仕事してある。
どの種もつまみでも握りでも素晴らしく美味しいが、
強いて言うとあなごと鉄火巻き、玉子焼が絶品である。
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あと、特筆すべきは値段がとても良心的であることだ。
銀座の名店へ行くと2万5千円以上するが、
ここはぴっくりすほどお値打ちである。

この日は現在の鶴八の常連であるHさんと一緒だったが
楽しく美味しくいただけた。
ごちそうさま。

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